プロフィール
1949年 和歌山県生まれ
1970年頃より型染め絣の布で制作を始める。現在、北海道 東京 大阪 神戸 福岡などで展示会を開催。
京都の朝市で手に入れた河内木綿で服をつくったのが、私の古裂との出会いでした。40年昔の事です。肌のぬくもり、大気の呼吸、水にさらされ時を重ね、布もまた生きている、その服は今も私の大切な思い出とともにあります。作る喜び、装う華やぎ、布への確かな手触り・・・・・
古裂に魅せられた年月でした。
布への思い
日本の各地にはそれぞれに多様な織布があります。
久留米の絣、弓浜の絵絣、丹波布や河内木綿の格子、縞模様、沖縄の清ら布、絹糸のように艶やかな宮古上布、八重山上布、芭蕉布、荒い潮風に向かう津島布、東北では寒さをしのぐため重ねた木綿に刺子をした半天、アイヌの人々のアツトウシ(樹皮)など、数限りなく、統一された文化ではなく、その土地の人々が過酷(カコク)な運命を背負いながら夜毎織続けた布は、村々が大切に受け継いできた人々の喜び、悲しみの証(アカシ)だと思います。
今大量に出まわる物のかたすみで古い手織り布が埋もれてゆきます。その布の暖かい手触りに導かれ、もう一度、身を包む服をつくることが出来たなら・・・・・
四十数年の思いです。